「フィッシュストーリー」伊坂幸太郎
伊坂作品に慣れてきたらしい。
電車の中で読むにはいいですよ。
表題作もいいけど、なんとなく作り過ぎな気もする。
「サクリファイス」は、個人的には好きだった。
黒澤という視点人物が、どうでもいいや、と思いながら、
でも気になるな、って引き返してきて事情を探るという、
そのユルさが、伊坂さんらしくて好きだった。
慣れないと、そのへんで「ついていけない!」と思ってしまう
ところかもしれない。
黒澤さんは職業が空き巣だったり私立探偵だったり、
それで自分のことを「いい人」と言われると
自分はいい人ではない、と苦い顔をするんだけど、
そういうところが伊坂作品の登場人物として、
好きなところ。肩肘張らない、なんだかだらしないような、
だけど、悪人じゃない。正直で、好きだ。
「ポテチ」という作品も、かなり好きだった。
大西、という人物が出てくるのだけど、最初、
この大西が女性だとは思わずに読んでいたので、
途中で気が付いて、あっ、女なのか! と思った。
「大西」という書き方が、女性ぽくない。
そう思ってみて気が付く、普通、小説に出てくる女性って、
姓ではなく、名前で呼ばれていることが多いんだよね。
そのほうが、女だってことが分かりやすいというのも
あるんだろうけど。
ときどきあるのが、視点人物が男のとき、出てきた女性を、
いきなり名前(姓ではなく)で呼び捨てにして、そのまま
話を進めていく書き方。いやアンタ、彼女の何なのさ!
って、反感、感じたりして。名前で呼び捨てにすることで、
なんだかその女性がすでに自分のものでもあるかの
ような。(゚∇゚ ;) 勘違い?ヾ(;´▽`A``
んで、この「ポテチ」では、「大西」はずっと「大西」なんだ。
下の名前は「若葉」というらしくて、同棲相手の今村が
ときどき「若葉さん」と呼びかけているんだけど。
地の文では、ずっと「大西」。んでこの大西若葉さん、
なかなかの美人で酒豪で、今村の目を盗んでときどき
「親しい」男友達と会っていたり、突然電話してきた
今村のお母さんと、妙に意気投合して飲みに行ってみたり・・
今村の恋人、というよりは、なんだか姉か友人のような、
サバサバした感じの人なんだ。それを描くのに、
作者が「若葉」ではなく「大西」と呼ぶ、
そこに二人の関係性が現れているようで、
・・・なるほど! って・・・
うん。伝えられたんだろうか。この文章は?(〃゚д゚;A・・
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